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―取材記―
  本郷中央地区では、地区社協が中心となり各種の「協働福祉講座」を開いて来たが、今回は「防犯」に的を絞り、「子どもを犯罪から守るための、家族や地域の役割」を考えようと講座を企画した。

◆県内の防犯対策の事例を「くらし安全指導員」から、
◆警察・学校・地域のパイプ役「スクールサポーター」から栄区の現状、
◆公田小学校児童の安全確保に活動している「しらさぎ見守り隊」の取り組み、

この3方面からの報告を聞き、問題点や進め方を考える会とするのが、この講座の目的。
●主催:本郷中央地区社会福祉協会、本郷中央地区支えあい連絡会
●共催:本郷中央連合町内会・自治会
●日時:平成19年12月15日(土曜)
●場所:本郷地区センター2F大集会室
クリックすると大きい画像になります (1)「くらし安全指導員」
<発表者>神奈川県安全防災局 安全・安心防災局 穴田光彰氏
氏は学校の先生から、使命を帯びてこの役目に就いた人。いわば専門職。
◆「安全と安心は違う」 中学生の携帯電話所持を例として出し、所在が分かるから安心だが、不良携帯サイトで犯罪に巻き込まれる事が多く、所持する事そのものを関係者は具体的に検討する事が必要。
◆「旭区の中学校で起きた校長先生の苦渋の判断」 小学生女子が誘拐されようとした現場で、中学生男子が腕力で犯人を追い払い助けた事を、全校生徒の前で褒めようとして、暴力行為を認める事になり断念した事例。子どもの世界では善悪の判断が非常に微妙である事を理解しなくてはいけない。
◆「子ども110番」 この制度は最初、ある学校が勝手に始めた制度だが、行政が絡んでいなかった。その為に事件の対処方法が明確でなく、当事者間でトラブルが発生していた。最近になり「区役所の地域振興課」が対応窓口として決定した事。
◆専門家が色々な方策を説明したり資料を提供するが、地域で良いと思う事を採用すれば良い。鵜呑みにするなと教訓を述べられた。
クリックすると大きい画像になります (2)「スクールサポーター」
<発表者>栄区スクールサポーター 荒谷孝氏
栄警察署生活安全課で少年係を10年ほど担当され、最近退職された氏は、警察と学校と地域のパイプ役として任務につかれている。
◆栄区は少年犯罪が横浜でも一番少なく「静か」であると述べられる。
◆永年のご経験から、年齢では中3高1が危険で、
◆場所はコンビニ周辺が危ない。
◆親子の会話特に父親との会話が少なくなった時期が危険である。
◆補導した少年から受けた感じでは、「家庭」に問題が有ると思える事が大半で、家庭の大切さを強調された。
クリックすると大きい画像になります (3)「しらさぎ見守り隊」
<発表者>山上氏、曽根氏、立川氏 「第3福寿会 岩崎氏
◆公田小では、通学路の見守りをPTAメンバーが中心の「しらさぎ見守り隊」を組織して行っている。それを高齢者ボランティアとして第3福寿会が援助している状況を説明された。
◆木川公田小校長が、その効果を述べられた。「3〜4倍安全性が高まった」と。何に対する比率か聞き漏らしたが、事件も起こらず、子供達が安心して通学でき、街角で見守ってくれている高齢者に感謝の言葉を交わす事が多くなったと発表された。
◆但し、207世帯から54人の保護者しか参加してくれないのが心掛かりと言う。来年は50%の保護者が参加してくれるように施策を打ちたい。そして、若い母親が見守りに参加して下さっている高齢者に感謝の気持ちを持って接してくれるように話し合って行きたいと抱負を述べられた。
◇物理的に「見守り」を行うのではなく、町の住民皆が心から支えあう事により安全な通学が可能になり、人間関係も暖かいものに変わっていく。「人は石垣、人は城...」と言いたかったのだろうと感じた。
(取材 広報Neri.)