●日 時 6月28日(月) 14:00〜16:00
●講 師 金成 透氏 (富士見台病院 精神保健福祉士)
ストレスのない世界では人間は生きていけないと言われています。ストレスが多すぎると潰れてしまいますが、ある程度のストレスはスパイスとなり、人間の生活に必要な物でもあります。それらのストレスとうまくつき合って行く事が必要であり、自分なりのストレスを発散させる方法を見つけ出す事が大切になってきます。
■ストレスの種類
1、物理的、科学的ストレス(騒音、温度、等)
2、生理的ストレス(成長、老化、出産、睡眠、栄養不足)
3、心理的、社会的ストレス(人間関係、欲求不満、挫折感)
また、これらのストレスに弱い傾向のある人を上げてみます。
・几帳面で神経質 ・周囲に気を使いすぎる
・何事も完璧にこなそうとする人 ・ノーと言えない
・物事にこだわりやすい ・負けず嫌い
・柔軟性に乏しい
少しでも自分が当てはまる性格であったとしても、特に大きな心配をする必要はありませんが、自分はストレスに弱いタイプだという事を理解し、自分なりのストレス回避方法をみつけ出す事が大切です。
■こころの健康とストレスの回避
・十分な睡眠 ・抵抗力のある体
・自分にあった運動 ・適度のストレス
・気分転換の方法 ・周囲の緩衡材の利用
このように回避法はたくさんありますが無理な形で行うと、逆にそれ自体がストレスになってしまうため、自分にあった物を見つけ出していくことが大切です 。また、一番のポイントは自分自身を大切にすることです。そして気持ちに余裕を持つ事により、他者を理解する気持ちが生まれ、病気などへの偏見もなくなっていくのではないでしょうか。
■心の病とは何かー代表的な精神疾患
・統合失調症 ・気分障害(そう状態、うつ状態)
・心因反応 ・PTSD
・人格障害、等
「健康とは身体的、精神的、社会的に完全に良い状態であり、単に病気や虚弱が ないことではないWHO」とあります。病気を抱えていても、住みよい町で日常生活が充実していれば、誰もが健康な生活を営めるのではないでしょうか。大切なのはノーマライゼーションの視点ではないでしょうか。障害を持っている人もそうでない人も誰もが安心して住みなれた町で暮らしたい、と思っているわけです。ストレスと上手に付き合いながら、自分を大切にし他者をも大切にすることが、誰もが住みやすい町にしていく、第1歩ではないかと思います。
●日 時 8月26日(木)
●講 師 荘司理恵子氏 (みなとメンタルクリニック院長)
8月は精神科医「みなとメンタルクリニック」の院長、荘司理恵子先生をお招きし、「心の病気ーその種類と対応法」のテーマでお話をして頂きました。
心の病気の種類について心身症、睡眠障害、パニック障害、社会不安障害、うつ病、摂食障害、強迫障害、統合失調症等、それぞれの病気について詳しい説明がありました。
■治療を受ける時のポイントは・・・?
* 少しでも早く専門医に相談する
ー早期に適切な治療を受ける事が大切。
* 回復をあせらない
ー薬の効果が表れるまでには多少時間がかかる時もあるが(薬によっても効果が表れる時間が違う)あせらず医師の指示に従って治療を受ける事が大切である。
*自分の判断で治療をやめないー治療には適正な量の薬を服用する事やコントロールが重要です。症状が良くなったからといって、自分の判断で服用を止めたり減らしたりせず、医師とよく相談してください。
このように一つひとつポイントをおさえてお話をして下さいました。
質疑応答の時間では、受講者からの「自分が病気になたっら、病院に行きたいと思っても、一人で行って自分の話したい事が説明できるか不安」という質問がでました。先生からは「心の状態が不安定な時に、病院に一人で行くのは勇気がいることかもしれません。また、そんな時に自分の状態を医師に伝えるのは難しい事もあるでしょう。旦那様や奥様、またはお子さんが付き添って受診する事も可能ですし、一度受診をしたらお電話でお話を聞く事も可能です。また、一回だけの受診で判断する事は無く、何回も受診をし時間をかけて状態把握をしていきますので、一度に全てを伝えなければいけないという事はないので安心して受診して下さい」というコメントをいただきました。
講座終了後、治療についての理解が深まった受講者の方々が、個別に先生に受診の方法などを聞いている姿が見られました。
心の病気は誰でもかかりうるものです。不調を感じた時に気軽に精神科に行く勇気を持つ大切さを感じました。
●日 時 10月21日
●講 師 佐藤亜希子さん (栄区生活支援センター 精神保健福祉士)
今回は「心の健康気になりませんか」の最終回ということで、実際に精神的な病気にかかったときに利用できる制度、相談窓口、受け入れ施設、バックアップ体制はどのようなっているかなどを精神保健福祉士の佐藤亜希子さんを講師に迎え、お話を伺いました。
<福祉・社会制度>
@生活保護制度 A障害年金制度 B通院医療費公費負担制度
C精神保健福祉手帳制度 D地域福祉権利擁護事業 E成年後見制度
上記の制度を利用される場合はその対象、利用できる要件等があるので、福祉保健センターサービス課、各区社会福祉協議会等の窓口で相談してほしいとのことでした。こういった制度を知り利用することで、経済的な負担を少しでも軽くすることは大切です。
<生活支援サービス>
社会復帰施設
@生活訓練施設(援護寮:市内3ヵ所) A福祉ホーム
Bグループホーム(市内33ヵ所) C福祉工場
D授産施設 ー 栄区には「かつら工房」(パン製造)か活動している)
E小規模作業所(地域作業所)
ー 栄区には心に病を持つ人を対照にした地域作業所「すぺーすモモ」がある。
F地域生活支援センター
これらの施設は精神に障害のある方を対象にしており、日常生活、障害の程度、家庭環境等を考慮の上、利用できます。定員を設けている施設もあるので、窓口である福祉保健センター、医療機関等で相談してください。
居宅生活支援事業
@居宅介護事業 A短期入所事業(ショートステイ)
B地域生活援助事業(グループホーム)
援助機関
@福祉保健センター(区役所内) A社会福祉協議会
B横浜市こころの健康相談センター
その他
@民生委員 A家族会 B当事者会 C精神保健福祉ボランティア
参加者から「制度を使いたくても手続きが困難」、「自分を精神障害と認めたくないので 、制度や施設の利用に躊躇するのでは?」、「本人に使いこなすだけの気力がない」等の質疑・応答がありました。
佐藤さんは「地域にある人材、施設、制度をネットワークで結び、大勢の知恵と努力で、さらに利用しやすいものにしていきたい。また障害を持つ人もそうでない人もお互いに理解できる地域社会であったらいいと思います」と結びました。