第2回 〜「ニート」って何?〜

「子どもや若者が大人になる」ために必要な空間と人間関係とは?

日  時 221日(10時〜12時) 

講  師 神奈川大学講師 
     久田 邦明
     (ひさだくにあき)

参加人数 20人

 ニート(NEET:Not Education, Employment, or Training)とは、学校へ通っていないし、働いてもいないし、職業訓練も受けていない若者のことを言います。フリーターでもなく、ひきこもりでもない、その中間的な存在です。彼らは決して働きたくないのではなく、彼らが活躍できる場がないのではないかと思います。経済活動の仕組みの変化、さらに就職難という社会状況の厳しさ、また市民の自覚をもって社会を担っていこうという気概をもった若者が少なくなっていることが、ニートを生む要因になっています。そんな彼らのための就労支援、居場所作りが全国で行われています。昨年オープンした「ヤングジョブスポットよこはま」(横浜市西区)は、全国的にも注目されている活動を行っています。そこでは「仕事って何だろう?定職につくって大切?など、そんな疑問を持つ若者が自由に来て、思い思いに資料を読んだり、パソコンに向かったり、話し合ったりしています。職業に関しての講演、実習、研修などのプログラムも提供しています。他にも地域、住民の手による多様な就労支援が全国で行われています。東京にあるニュースタート事務局、仙台成年会議所の高校生を対象とした職場体験、東京青年会議所江東委員会による中学生の社会体験活動プログラムの提供、横須賀の商店街では品物の配送や家事手伝いをしています。ただ、ここに頼めば大丈夫と思わないで欲しい。色んな団体があって、方法も違うので、そのやり方が合えばいいけれど、会わない場合もあるので、そう簡単にはいきません。ここに来る若者たちを見ていると、大人と普通に話す機会がなかったのではないかと感じます。成長の過程で大人といえば学校の先生と親だけ。一方だけの見方で評価される世界なので、失敗するともうだめだと、」それだけで落ち込んでしまう。学校には学校の物差し、世間には世間の物差しがあって、そういう多様な見方の中で育つことが、欠けているように思えます。 先生のお話の後、参加者は3つのグループに分かれて、話し合いをしました。

Q.目標を見つけられない子どもたちにどうかかわったらいいのか。
A.親の価値観で選別することを控えたほうがいいのではないでしょうか。大人も自分を少し変えていく
  ことです。また、日本全体が完成された状態を基準にして人をみている。これが一番まずいことでは
  ないかと思います。

Q.母親と子どもとの関係が難しい。
A.母親にはない父親のいい加減さも、子どもの成長には必要ではないか。

Q.ニートにしないためには?
A.近所のおじさん、おばさんとか、多くの大人に接することが大事だと思います。
 
<戻る>